あああの政治経済プリント
(下のボタンで操作)

政党・選挙

1.政党政治

 政策を実現するための同じ考え方を持った政治家の集まりのことを ()という。

 2つ以上の政党が協力し合って行う政治のことを (立政権)という。国会で過半数議席を獲得し政治を行う政党のことを (与党)、選挙に敗れ過半数議席を獲得できなかった政党のことを ()という。現在では自民党と公明党が与党、民生党とそのほかの政党が野党ということになります。

アメリカやイギリスの (大政党制)と違って、有力な政党がたくさんあるフランスやドイツ、イタリアなどでは (立政権)が盛んに作られている。

(党独裁制)が行われている中国や北朝鮮などの社会主義国では、政治を担当する中国共産党や朝鮮労働党以外には政党を作ることが許されていないため、一つの政党による独裁政治が行われている。

2.政党政治の歴史

 ●明治憲法下の政党政治

 1889年に (日本帝国憲法)(明治憲法)が成立し、日本でも国会議員を選ぶ選挙が実施されることになった。このころの政党は幅広い国民を代表する (衆政党)ではなく、一部のお金持ちたちだけで作られた (望家政党)と呼ばれる種類の政党だった。1918年には (正デモクラシー)という国民による民主化要求運動の中で、 ()の政友会などの政党が力をつけ、本格的な (政党政治)がスタートした。昭和に入ると (五・ 一五事件)や (二・ 二六事件)といった軍部によるクーデター事件が起こり、1940年には全ての政党に解散命令が出され、日本の政党は (政翼賛会)という軍事政党に統合された。

 ●55年体制

①第二次世界大戦が終了すると、 (19 55年)には保守系の政党が統合されて (由民主党)(自民党)が誕生し、1950年に日米安全保障条約をめぐる党内の意見の対立から右派と左派に分裂していた (会党)が再び統合された。この年から1993年まで自民党と社会党による二大政党制が行われていき、この二大政党制は1955年から始まったので (5 5年体制)と言われる。 また、社会主義を掲げる社会党が選挙で獲得することができた議席数は自民党の議席の半分程度に過ぎなかったため、この二大政党制は (½政党制)とも皮肉された。

②1960年代には (明党)や民社党などの新しい政党も誕生してきた。

③1976年には自民党の田中角栄首相らがアメリカの航空会社ロッキード社からワイロを受け取り、有罪判決を受けるという (ッキード事件)が発生し、その結果、自民党に不信感を持った河野洋平ら若手議員が自民党を離脱し (自由クラブ)という政党を作った。しかし、この新自由クラブも1986年の (曽根内閣)のときは、その自民党と連立政権を組み、自民党に吸収された。

④1989年には自民党の竹下首相らがリクルート社からワイロを受け取っていたことが発覚した (クルート事件)や1991年には自民党の実力者であった金丸信副総裁らが東京佐川急便者からワイロを受け取っていた (川急便事件)が発覚し、国民の不信感が高まり、1993年に自民党による55年体制は終わりを迎えた。

 ●55年体制の終結

ア、1993年自民党の宮沢喜一首相に対する (信任決議)が衆議院で可決され、衆議院の解散選挙の結果、自民党以外の政党である社会党、新生党、新党さきがけ、日本新党、民社党、公明党、社民連、民改連の (8)つの政党(会派)が連立政権を組み、 (本新党)の (川護煕)が首相に指名され、38年ぶりの自民党以外の首相が誕生した。

イ、細川首相は国民の支持を得るために、 (治改革)に取り組み、4つの法律の制定・改正が行われた。

① (職選挙法)(改正)・・・衆議院議員選挙の中選挙区制を改め、 (選挙区比例代表並立制)を導入。

② 衆議院議員 (挙区)画定審議会設置法・・・衆議院議員選挙で一票の格差が (2)倍以内の選挙区割りをめざすための機関の設置。

③ (治資金規正法)(改正)・・・政治献金は (政党)・ (金管理団体)あてのみとし、政治家個人宛の政治献金を禁止する。

④ (党助成法)・・・国民一人当たり250円の税金(約320億円)を国会の議席数に応じて、政党に分配する。

 ●連立政権の時代へ

①新生党の羽田孜が新しい首相になると、羽田首相と意見が合わなかった社会党は連立政権から離脱。1994年に (自民党)、 (社会党)(その後、社民党に党名を変更)、 (党さきがけ)による (社会 党の村山富市)を首相とする連立政権がスタートした。

②2年後の1996年には村山富市首相のあとを受けて、自民党の (本龍太郎)が首相となり自民党の首相が復活した。その後、基本的に (自民党)が他の政党と (立政権)を組むことにより国会による過半数議席を維持し、政権を維持していく。

③1994年の村山内閣誕生直後、6つの政党が合流して (進党)という政党ができたが、その後8つの政党に分裂し消滅した。

④1996年に鳩山由紀夫と菅直人が (党さきがけ)を離党し、自民党、社民党を離党した議員が中心となって (民主党)を結成した。

3.日本の政党政治の課題

①日本では1955年以降、自民党が長期政権を担当し、長期にわたって国会議員を続けることができた結果、特定の省庁の官僚と仲のよい (議員)と呼ばれる国会議員が出来た。

②自民党がずっと勝ち続けることにより、自民党の中に ()と呼ばれるグループがつくられた。

③日本の政治は政治献金をし、政党や政治家に強い影響力を持つ (力団体)の力が強い。

主な圧力団体

(団連)

主に大企業の社長たちの集まり

1178人

商工会議所

主に中小企業の社長たちの集まり

154万人

()

労働者の集まり

789万人

()

農家たちの集まり

800万人

日本医師会

医者たちの集まり

16万人

主婦連

主婦たちの集まり

3万人

④国会で (首討論)が2000年から行われるようになった。これは、イギリスの (クエス チョン・タイム)を日本にも取り入れたもので、国会の会期中の毎週水曜日に総理大臣と野党の党首が40分間公開討論を行うというもの。

4.選挙権の歴史

①選挙の原則

・ (通選挙)・・・差別されることなく、誰でも参加できる選挙(⇔ (限選挙))

・ (等選挙)・・・一人に一票ずつ投票権が与えられている選挙

・ (接選挙)・・・国民が直接、自分が当選させたい人に投票できる選挙

・ (密選挙)・・・誰に投票したかは秘密にしてもらえる選挙

年号

事件

選挙権の条件

1889

日本で初めて選挙権が確立( (由民権)運動)

直接国税 (15)円以上を納める (25)歳以上の男子

1925

男子普通選挙の確立(大正 (モクラシー))

(25)歳以上の男子

1945

男女普通選挙の確立(アメリカ軍による占領政策)

(20)歳以上の男女

世界的には、男子の普通選挙は1848年に (ランス)で始まり、世界で女性にも選挙権を初めて与えたのは、1893年の (ュージーランド)。

5.選挙制度の種類

種類

特徴

長所

短所

小選挙区制

狭い選挙区から、1人ずつ当選する。

・選挙区が狭いため、選挙費用が安くすむ。
・政治が安定する。

・小さな政党は当選しにくい。
・死票が多い。
・ (リマンダー)の危険がある。

(選挙区制)

広い選挙区から、2人以上当選する。

・ (さな政党)でも当選しやすい。
・ ()が少ない。

・選挙区が広いため、選挙費用が高くつく。
・政治が不安定になる。

比例代表制

人気のある政党から、 (ント式)で議席を割り当てていく。

・小さな政党も当選しやすい。

・死票が少ない。

・政治が不安定になる。
・人物で当選者を選びにくい。

1位しか当選できない小選挙区制は2位以下に投票した人の票はムダな死票になる。

(リマンダー)とは自分の有利なように選挙区を設定すること。

(例代表制)とは、基本的に政治家個人ではなく政党の名前を書いて投票し、各政党が提出した名簿に乗っている政治家の中から当選者を決定する方法。

※ドント式の計算方法

政党名

自民党

民主党

公明党

共産党

社民党

得票数

90,000

87,000

42,000

8,100

6,000

÷1
÷2
÷3
÷4

①90,000
③45,000
⑥30,000
⑧22,500

②87,000
④43,500
⑦29,000
21,750

⑤42,000
21,000
14,000
10,500

8,100
4,050
2,700
2,025

6,000
3,000
2,000
1,500

6.衆議院と参議院の選挙制度

衆議院
(任期4年、解散あり)小選挙区比例代表並立制

参議院
(任期6年、3年ごとに121人ずつ選挙)

選挙区制
(295)名

(選挙区制)=全国を300のブロックに分け、1つのブロックから1名ずつ当選。

うち
(146)名

(挙区制)=都道府県ごとで選挙を行い、選挙区により1~4名の当選。

比例

代表制
(180)名

(束名簿方式)=政党名を書いて投票させ、各党が提出した名簿の上位から当選していく。(11のブロックごとに行う)

うち
(96)名

(拘束名簿方式)=政党名か政党が提出した名簿にある人の名前を書いて投票させ、人気のある政党の人気のある人物から当選していく。

※候補者は小選挙区制と比例代表制の両方に立候補することができる(= (複立候補))

※候補者は選挙区制か比例代表制かどちらかにしか立候補できない。

●衆議院

(議院)は1994年までは、 (選挙区制)による選挙が行われていた。この当時の日本全国を一つの選挙区とした (議院の大選挙区制)と区別するために中選挙区制と呼ばれていた。この中選挙区制も参議院の大選挙区制も現在は行われていない。

この中選挙区制が (選挙区比例代表並立制)に変更。

●参議院

参議院議員は (3)年ごとに半分ずつ選挙を行うので、1回の選挙で選ばれる参議院議員は (121)人。

7.日本の選挙

①公職選挙法上、 (別訪問)は禁止。

②選挙違反については (座制)が適用される。 (座制)とは選挙に立候補した人以外にも、その家族や秘書などが選挙違反をしても、選挙違反と認められ、当選も無効になるというもの。

③1998年から、選挙当日に投票にいけない人が前もって投票できる (在者投票)ができるようになり、2003年からは「遊びに行くから」といった軽い理由でも前もって投票できる (日前投票)も認められるようになった。

④ (外投票)については2000年から外国に住む日本人も海外の大使館で、 (例代表制)に限っては投票できるようになったが、2007年から (挙区制)でも可能となった。

⑤2002年には (子投票法)が制定され、地方の選挙に限り、投票所に設置されたコンピュータによる簡単な投票方法も可能となり、2013年から、インターネットによる選挙運動が可能となった。

⑥2003年に党がどんな政治をしようとしているのかが書いてある (ニフェスト)(政権公約)の配布が認められた。

苦手マーク全消去

目次へ

政治経済