経済学説

 

 

 

 

 

 

 

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1.資本主義

 1600年代のヨーロッパは、絶対王政が行われ、トマス=マンなどが主張する特定の商人の活動だけを重視する;重商:主義を行われていた。しかし、1700年代後半になると生産用機械を使って製品を生産する ; 産業:革命や革命を起こし、政治権力を国王から国民に移動させる;市民:革命が起きた。 世の中は自由な世界へと変わっていき、経済政策として;資本:主義政策が行われた。

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資本主義の主な特徴は次の3つ。
㋐ ;自由放任:主義…人が自由な経済活動を行う。
㋑ ;私有財産:制…工場・機械などを個人が所有する。
㋒ ;小さな:政府…国は最小限の仕事のみを行い、多くは国民の自由に任せる。

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 イギリスの経済学者の;アダム・スミス:で、著書『諸国民の富(;国富論:)』の中で、それぞれが自由な経済活動を行えば、;神の見えざる:手に導かれて、国民全員が幸福になれると主張した。
1800年代前半になると、自由な経済活動による国家間の競争が対立に結びつき、リカードは自由貿易を保護する世界は分業体制に入るべきだという比較生産費説を唱え、リストは保護貿易主義を唱えた。

 1800年代後半になると、資本主義経済ものでは雇う資本家と雇われる;労働:者の貧富の差を拡大した。1929年のアメリカの株価が大暴落した;世界恐慌:による急激な不景気は、この差を拡大させた。この資本主義の欠点を補うために、世界の国は㋐社会主義を採用する国㋑;修正資本:主義を採用する国に分かれた。

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2.社会主義

 ソ連や中国は;社会:主義政策を採用し、次のような特徴を持っている。
㋐ ;生産手段:の公有…工場・生産用機械などは全て国が管理し、貧富の差をなくす。
㋑ ;計画:経済…どの商品をどれだけつくるかは政府が決定する。
㋒ ;独裁:政治…政治家が大きな力を持つ。

 社会主義を最初に主張したのはドイツの;マルクス:で、著書『;資本論:』の中で資本主義を批判し、1917年に世界初の社会主義国ソ連が誕生した。
その後、政府が管理することに国民の多くが不満を持ち、その結果、ソ連と東ヨーロッパ諸国は資本主義に移行し、中国、;ベトナム:、;キューバ:などは資本主義要素を取り入れて社会主義の改革に取り掛かっている。

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3.社会主義国の現在

 ①ソ連の崩壊

  1985年に;ゴルバチョフ:は次の3つの改革によって、ソ連の建て直しをしようとした。
㋐ ;ペレストロイカ:(改革)・・・資本主義を取り入れる。
㋑ ;グラスノスチ:(情報公開)・・・ソ連政府の情報を国民に公開する。
㋒ ;新思考外交:・・・東西冷戦を反省し、アメリカとも協調していく外交政策を展開する。

1991年に、共産党によるソ連の政治を続けることができなくなり、ソ連は15の共和国に分裂し、ソ連が持っていた権限の多くはその中のロシアが受け継ぎ、ロシアの大統領を;エリツィン:が務めた。その後独立した共和国は;CIS:(独立国家共同体)を結成し、資本主義に移行した。

③中国の改革・開放政策

ペレストロイカのような改革はその他の社会主義国でも行われ、;ベトナム:の;ドイモイ:政策と中国の;改革・開放:政策がある。
中国では鄧小平の指導のもと、1979年からの;改革・開放:政策により、資本主義の自由な要素が少しずつ取り入れられていくようになり、海岸沿いの5都市に;経済特:区が設置された。この5都市は特別に、外国の企業の進出が認められることになった。

④中国の改革・開放政策

1993年には;社会主義市場:経済が導入され、生産部門は国営企業のままにしながら、販売部門は民間の企業を設立することを許した。 しかし、中国の政治を担当している共産党は社会主義が残っていることに反対する国民の集会に対し、軍隊は発砲する;天安門:事件が起きた。
 1997年にはイギリスから;香港:が、1999年にはポルトガルから;マカオ:が中国に返還され、香港とマカオは社会主義国の中国の領土でありながら、政治は資本主義のままでよいとする;一国二:制度を採用した。

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4.修正資本主義

 資本主義の欠点を修正する必要があると考え、イギリスの経済学者;ケインズ:は、;修正資本:主義を主張した『;雇用利子および貨幣:の一般理論』を著した。彼は不景気の時は、政府は税金などを使って、失業者を助けるための政策を積極的に行っていくことを主張した。
 修正資本主義政策を初めて実行したのはアメリカのルーズベルト大統領による;ニューディール:政策で、1929年に発生した;世界恐慌:の時に、税金を使ってダムや道路などの公共事業を行い、失業者たちに仕事を与え、所得を増やした。このような政策のことを;有効需要:政策という。

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1900年代半ばになると、景気対策の政府の支出が国の 財政赤字の増大を招き、;シュンペーター:は技術革新による創造的破壊 が必要と唱え、;フリードマン:は国は貨幣供給の維持だけに専念するべきとする;マネタリズム:を主張した。彼らの理論のことを反;ケインズ:主義又は新;自由:主義という。

アメリカのレーガン大統領、イギリスの;サッチャー:首相、日本の;中曽根:首相も、政府が多くの仕事を行う「;大きな:政府」よりも、政府の仕事を少なくする「;小さな:政府」が望ましいことを主張し、反ケインズ主義的な政策を実施した。
レーガン大統領は;レガノミックス:という政策で、まず企業が製品供給を増やしやすい状況を作るべきだという;サプライサイド:エコノミクスを主張し、法人;減税:を行った。 中曽根内閣は国鉄、;電電:公社、;専売:公社をJR,NTT,JTに民営化し、これらの赤字だった国営企業を国から切り離すことにより国の支出を減らした。